栄養士がすすめる「より良い睡眠のためのナンバーワン食品」は夜の“ゴールデンミルクシェイク”だった

栄養士がすすめる「より良い睡眠のためのナンバーワン食品」は夜の“ゴールデンミルクシェイク”だった

1 日本は「睡眠不足大国」だからこそ、食事を見直す価値がある

日本人の平均睡眠時間は、OECD 加盟国の中でも最下位クラスと言われています。味の素株式会社
「仕事が忙しい」「ついスマホを見て夜更かししてしまう」「布団に入ってもなかなか寝つけない」──。
こうした悩みを抱えている人は少なくありません。


睡眠不足や睡眠の質の低下は、
・日中の集中力や判断力の低下
・メンタル不調やイライラ
・生活習慣病のリスク上昇
など、健康にも仕事にも深刻な影響を及ぼすことが分かっています。PMC


「睡眠時間を増やす」ことは理想ですが、
仕事や家事、育児で、すぐに生活リズムを大きく変えるのは難しい人も多いはずです。
そんなときこそ現実的で取り入れやすいのが、「食事」からのアプローチです。



2 栄養士が選んだナンバーワン食品「ゴールデンミルクシェイク」とは?

AOL.com に掲載された記事(元記事は米メディア EatingWell)では、
「より良い睡眠のためのナンバーワン夜食」として、
“Golden Milk Shake(ゴールデンミルクシェイク)”が紹介されています。EatingWell



2-1 どんなドリンク?

記事で紹介されているゴールデンミルクシェイクは、ざっくり言うと次のようなドリンクです。EatingWel

  • 牛乳(ビタミンD・トリプトファンを含む)

  • バナナ(自然な甘さと炭水化物、カリウム)

  • ターメリック(ウコン:抗炎症作用が期待)

  • シナモン(体を温め、香りでリラックス)

  • バニラエッセンスなど(香りづけ)


砂糖は加えず、バナナの甘みのみで仕上げるのがポイント。
「甘いのに血糖値が急上昇しにくい」「胃に重すぎない分量」で、
寝る1〜2時間前に飲んでも負担になりにくい夜食とされています。EatingWell



2-2 なぜ「ナンバーワン」と評価されたのか

記事中で栄養士たちは、ゴールデンミルクシェイクを推す理由として、主に以下を挙げています。EatingWell+1


  • トリプトファン:睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になる必須アミノ酸

  • ビタミンD:睡眠の質に関係するとされる栄養素

  • 砂糖不使用:高糖質な夜食が睡眠を悪化させるリスクを避けられる

  • 量がちょうど良い:お腹が重くならない、適度なカロリーのスナック


つまり、「栄養バランス・量・消化のしやすさ」の三拍子がそろった“夜のご褒美ドリンク”という位置づけです。



3 ゴールデンミルクシェイクの栄養メカニズムを分解

ここからは、ゴールデンミルクシェイクを構成する要素を、栄養学の視点から解説します。
「なんとなく良さそう」ではなく、「なぜ睡眠に効きやすいのか」を理解すると、自分なりのアレンジもしやすくなります。



3-1 牛乳(またはヨーグルト):トリプトファンとビタミンD

牛乳などの乳製品は、トリプトファンを多く含む代表的な食品です。Starter Kit
トリプトファンは体内でセロトニンやメラトニンの材料となる必須アミノ酸で、
自分の体内では合成できないため、食事から摂取する必要があります。横浜市医師会


  • 日中:トリプトファン → セロトニン(心を安定させる神経伝達物質)

  • 夜間:セロトニン → メラトニン(睡眠ホルモン)

という流れで変化し、睡眠リズムに深く関わっています。


また、ゴールデンミルクシェイクのレシピでは、
「ビタミンDを添加した低脂肪乳(reduced-fat milk)」を使うことが推奨されています。EatingWell+1
ビタミンDは骨の健康だけでなく、睡眠の質と関連している可能性が報告されており、
ビタミンD欠乏と睡眠障害の関連を示す研究も増えています。MDPI



3-2 バナナ:自然な甘み+炭水化物+カリウム

バナナは、

  • 自然な甘さ

  • 適度な炭水化物(トリプトファンを脳へ運ぶのを助ける)

  • カリウムなどのミネラル
    を含む、夜にも使いやすいフルーツです。


炭水化物は、トリプトファンが脳内へ届くのを手助けし、
セロトニン・メラトニンに変換されるプロセスをサポートすると言われています。PMC


日本の栄養指導でも、「朝食でトリプトファン+炭水化物+ビタミンB6を組み合わせると良い」とされることが多く、
日中の“セロトニンづくり”にもつながる食材です。日清製粉グループ

夜に使う場合は「1本使うか半分にするか」「熟れ具合」で甘さとボリュームを調整できます。



3-3 ターメリック(ウコン):抗炎症と温かさ

ターメリックに含まれるクルクミンには、抗炎症作用があるとされ、
慢性的な炎症が睡眠の質と関係している可能性も指摘されています。PMC
ホットミルクにターメリックを加えることで、

  • 体がじんわり温まる

  • 香りの効果で「夜のリラックスタイム」を演出できる
    といったメリットも。


日本では「ウコン=二日酔い対策」のイメージが強いですが、
少量をミルクに混ぜる程度であれば、辛さもほとんど感じず、
夜のハーブティー感覚で続けやすいのも特徴です。



3-4 シナモン・バニラ:香りで“寝るスイッチ”を入れる

シナモンやバニラは、

  • 血糖値を急に上げにくいスパイス

  • ふんわりと甘い香りが、リラックスを促す
    という理由で、睡眠前のドリンクに使われることが多い香りです。


香りは記憶と結びつきやすく、
「この香りがしてきたら、そろそろ寝る時間」と脳に覚えさせることで、
“嗅覚による就寝ルーティン”をつくることもできます。



4 どれくらいの量がベスト?「重すぎない夜食」の考え方

AOL 記事では、「夜食は軽めにし、寝る1〜2時間前にとるのが理想」とされています。EatingWell
理由はシンプルで、

  • 量が多い → 体が「消化モード」になり、休息に入りにくい

  • 脂っこい・高カロリー → 胃もたれや胸焼けの原因に
    なるからです。


栄養士のコメントとしても、
「バナナとミルクのような軽めで栄養価の高いスナックが、夜には適している」
と紹介されています。EatingWell



実際の目安量

目安としては、次のような量から始めると良いでしょう。


  • 牛乳または豆乳など 150〜200ml

  • バナナ 小1本 or 1/2本

  • ターメリック 小さじ1/4〜1/2(様子を見ながら)

  • シナモン ひとふり

  • バニラエッセンス 数滴


「飲み終わって、まだ何か食べたい…」と感じる場合は、
寝る直前ではなく、就寝の2時間前に飲むように調整するのがおすすめです。



5 日本の食材で楽しむゴールデンミルクアレンジ

「ウコンやシナモンは家にないし、牛乳もあまり飲まない…」
という人向けに、日本の家庭で取り入れやすいアレンジを紹介します。


5-1 豆乳・オーツミルクバージョン

牛乳が苦手、乳糖不耐症がある、ヴィーガン志向という人は、

  • 無調整豆乳

  • オーツミルク
    などに置き換えても構いません。


豆乳には植物性たんぱく質とトリプトファンが含まれており、
睡眠を支えるという意味では、牛乳と同じ方向性を持つ食材です。Starter Kit
ただし、ビタミンDは製品によって添加の有無が違うため、
「ビタミンD入り」と表示されたものを選べば、より原案に近づけられます。



5-2 きなこ・黒ごまをプラス

日本的なアレンジとして

  • きなこ(大豆由来のトリプトファン+香ばしさ)

  • 黒ごま(カルシウム・鉄・良質な脂質)
    を小さじ1〜2加えるのもおすすめです。


バナナ+豆乳+きなこ+少量のターメリック+シナモンという組み合わせにすれば、
「和とエスニックの中間」のような、香り豊かな夜ドリンクになります。



5-3 甘味を足したいときの工夫

どうしても甘味が欲しい場合は、

  • はちみつ

  • メープルシロップ
    などを「小さじ1杯まで」を目安に、少量だけ使うのが無難です。


AOL 記事でも指摘されている通り、
砂糖たっぷりの飲み物・スイーツは、睡眠の質を悪化させる可能性が示されています。MDPI
“ほんのり甘くて満足できるギリギリのライン”を、自分の舌で探ってみてください。



6 ゴールデンミルク以外の「快眠を助ける」食べ物たち

もちろん、ゴールデンミルクシェイクだけが万能なわけではありません。
AOL.com や他の専門記事でも、睡眠をサポートする食材として


  • タルトチェリー・チェリー類

  • キウイフルーツ

  • ナッツ(特にクルミ)

  • 脂ののった魚(サーモンなど)

  • 乳製品全般

    がよく挙げられています。Prevention+1



6-1 朝〜日中に意識したい食材

良い眠りは夜だけでなく、朝と日中の食事から始まっています。精霊学園+1

  • 朝:

    • トリプトファンを含むたんぱく源(卵、納豆、豆腐、ヨーグルトなど)

    • 炭水化物(ご飯、パン、オートミールなど)

    • ビタミンB6(鮭、鶏むね肉、さつまいも など)

  • 昼:

    • 野菜や海藻、キノコなどでミネラル・ビタミンをしっかり

    • 極端な糖質制限やジャンクフード偏重を避ける

を意識することで、夜のメラトニン生成に必要な“材料”をしっかり補給することができます。



6-2 夕食〜夜食で取り入れたい食材

夕方以降は、

  • 消化に負担をかけすぎない

  • 血糖値を急激に上げない

  • アルコール・カフェインを控える
    ことが大切とされています。EatingWell


具体的には、

  • 魚や豆腐、鶏むね肉などの「脂身が少ないたんぱく源」

  • 白米よりは玄米や雑穀を少量

  • 野菜の煮物・味噌汁など温かい料理
    を中心にすると、胃腸にも優しく、睡眠に入りやすくなります。



7 「これは避けたい」睡眠前のNGフード&飲み物

AOL 記事や睡眠研究の知見をもとに、
寝る前に避けたいものを整理しておきましょう。EatingWell+1


7-1 カフェイン飲料

  • コーヒー

  • エナジードリンク

  • 緑茶・ウーロン茶(カフェイン量が意外と多い)
    などは、夕方以降は控えた方が無難です。


一般的に、カフェインの効果は摂取後4〜6時間続くと言われており、
「夕方の一杯」が、思った以上に夜の入眠に影響することがあります。



7-2 アルコール

「お酒を飲むと眠くなる」という人も多いですが、
アルコールは入眠を早める一方で、

  • 深い眠り(徐波睡眠)を減らす

  • 夜中に目が覚めやすくなる
    など、睡眠を浅くしてしまう側面があります。PMC


どうしても飲む場合は、

  • 量を控えめに

  • 寝る直前ではなく、数時間前に飲み終える
    を意識しましょう。



7-3 高脂肪・高糖質な「重い夜食」

  • 揚げ物

  • カップラーメン

  • ケーキ・ドーナツ・菓子パン

  • スナック菓子

こうした食品は、消化に時間がかかるうえに、
血糖値の乱高下を招きやすく、睡眠の質低下と関連する可能性が示されています。PMC
どうしても小腹がすいた時こそ、ゴールデンミルクシェイクのような「軽くて栄養のある一杯」に置き換える価値があります。



8 食事だけじゃない!より良い睡眠のための生活習慣

食事は睡眠改善の強力な柱ですが、
それだけで“魔法のように”すべてが解決するわけではありません。

AOL 記事でも、栄養士たちは次のような生活習慣を勧めています。EatingWell+1



8-1 バランスの良い食事をベースに

  • 果物・野菜

  • 全粒穀物

  • 豆類

  • 良質な脂質(オリーブオイル、ナッツ、魚の脂など)

を中心とした「地中海食」に近いパターンは、
睡眠の質が良い人に多い傾向があると報告する研究もあります。PMC



8-2 就寝ルーティンをつくる

  • 寝る1時間前にはスマホを手放す

  • 照明を少し落とす

  • お風呂やストレッチ、読書など“自分なりの儀式”を持つ

このタイミングでゴールデンミルクシェイクを飲むと、
「この味と香り=そろそろ寝る時間」という条件づけにもなり、
脳が“睡眠モード”に切り替わりやすくなります。



8-3 水分の取り方に注意

一日の水分は日中にしっかりとり、
寝る直前には必要以上に飲みすぎないようにするのもポイントです。EatingWell
夜中のトイレで目が覚めてしまうと、
再び眠るのが難しくなる人も多いため、
「ゴールデンミルクはコップ1杯まで」と自分なりにルールを決めると安心です。



9 よくある質問 Q&A

Q1:毎晩飲んでも大丈夫?

毎晩飲んでも問題ない分量であれば大丈夫ですが、

  • カロリー

  • 全体の食事バランス

  • アレルギーや持病(乳製品アレルギー、腎臓病など)
    には注意が必要です。


1日の総カロリーがオーバーして体重増加につながると、
逆に睡眠時無呼吸症候群などのリスクが上がる可能性もあります。



Q2:子どもに飲ませてもいい?

牛乳やバナナにアレルギーがなければ、
基本的には子どもでも飲める組み合わせです。
ただし、スパイスの量はごく少量から試し、
辛味や香りが強すぎないよう調整しましょう。

就寝前の「ホットミルク+ほんの少しのバナナペースト」程度からスタートし、
様子を見ながらターメリックやシナモンを足しても良いでしょう。



Q3:ダイエット中でも大丈夫?

夜に何も食べないと、空腹感でかえって寝つきが悪くなり、
翌日に暴食してしまうケースもあります。


ゴールデンミルクシェイクは、

  • スイーツや菓子パンよりは低脂質

  • 砂糖不使用
    であるため、「どうしても何か口にしたい」というときの
    “ダイエット中の妥協策”としては上手な選択肢と言えます。


気になる場合は、

  • バナナを半分にする

  • 牛乳を低脂肪乳や無調整豆乳に変える

  • 1/2量にしてみる
    といった調整をすると、カロリーを抑えながら続けられます。



10 まとめ:「完璧な夜食」ではなく“自分に合う一杯”を見つけよう

ここまで見てきたように、
栄養士たちが「睡眠のためのナンバーワン食品」として挙げた


ゴールデンミルクシェイクは、

  • トリプトファンやビタミンDなど、睡眠に関わる栄養素を含み

  • 過剰な砂糖を避け

  • 重すぎない適量で満足感を得られる

という点で、とても理にかなった“夜の一杯”です。EatingWell+1

ただし、それはあくまで「ひとつの具体例」。


重要なのは、

  • 日中からトリプトファンやビタミン・ミネラルを意識した食事をとること

  • 夜は消化にやさしい軽めの食事にすること

  • カフェイン・アルコール・砂糖を摂りすぎないこと

  • 自分なりの就寝ルーティンを整えること

といった、トータルの生活習慣です。


そのうえで、
「今日は疲れたから、眠る前にゴールデンミルクで自分をいたわろう」
そんな、小さなセルフケアの習慣としてこのドリンクを取り入れてみてはいかがでしょうか。



参考記事

栄養士がすすめる、より良い睡眠のために食べるべきナンバーワンの食品 - AOL.com
出典: https://www.aol.com/articles/number-1-food-eat-better-125300957.html